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今月のお話

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「盂蘭盆会(うらぼんえ)」・・・



うるさいほどのセミの声とかんかん照りの空・・・、今夏も酷暑が続く夏となりました。
皆さん、熱中症には十分気をつけてください。

さて、子どもたちは夏休みの真っ只中、そうしてお盆休を迎えるわけですが、
この「お盆」、仏教ではもっとも親しまれ、生活に根づいた年中行事のひとつです。
一般的には7月ないし8月の13日から16日にかけて行われる行事。正式には「盂蘭盆会」といい、
サンスクリット語の「ullambana」からきたと言われております。
ご祖先様の御霊を祀ることから、「精霊祭」とも呼ばれ、もともとは、「盂蘭盆経」というお経に書かれた
お釈迦様のお弟子、目連さんの故事に由来するといわれています。
それは、目連さんのお母さんが、死んで餓鬼道に落ちて、苦しんでいたのを親孝行の目連が救い出そうと、
その方法をお釈迦様に尋ねられたそうです。お釈迦様は「あなたの母は罪業が深くて一人の力では救えない、
多くの僧を招いてごちそうを備えれば母は救われる」と説いたそうです。
そこで目蓮さんは師の教えの通り、「盂蘭盆会」を催し供養したところ、母は餓鬼道から、
逃れることができたというお話なんですね。

また、お盆は、ご先祖様供養とともに、施餓鬼供養を施します。

すべての御霊を供養することは、私たちが生きるうえで、やはり大切ではないでしょうか。

一般に13日を「迎え盆」、16日を「送り盆」といい、その間、各家庭では、精霊棚を飾り
僧侶を招いてお経をあげてもらい、合わせてお墓参りをします。
そうして私たちが今「生かされている」ことに感謝する。
それは普段あまり意識しない命の大切さや儚さに気づかせてくれるものでもあります。

今を生きる=生かされている=というのは、ご先祖様から授かった命に他なりません。
まだ癒されない震災の傷跡、こどもたちのいじめ、様々な問題が溢れる今だからこそ、
もう一度命の大切さをみんなで考えてみてはと思うのです。
一人ひとりの合掌の心が、ご先祖様、そして未来へと届きますように・・・。

ありがとうございます。

                                                     合掌


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