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今月のお話

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「八風吹不動(八風=はっぷう=吹けども動ぜず) 」・・・



五月の〆は猛暑日の週末。
ちょっと早すぎるとため息をつく間もなく、
これからは梅雨空の行方が気になる6月になりました。

そうして上(空)ばかり見ている間に、足下では、
アジサイがほころび始めております。
ジメジメした鬱陶しい季節を吹き飛ばす、
あの清楚な美しさは、喩えようもありません。

心に余裕を持たせてくれる一花に、感謝を・・・。

さて、にわかに伝えられる景気回復?の報、
=有効求人倍率が改善し、また来るオリンピック
効果で需要が喚起されてきたなど=
しかし、依然厳しい福島復興、そうして全国とも
夏場を控えての電力問題は厳然たる懸案です。
それらに一喜一憂するのは、仕方がないとは思いますが、
その都度、「何が大切なのか」を考えさせられるのです。


八風吹不動


人の心というのは八つの「風」「利・衰・毀・誉・称・譏・苦・楽」
(り・すい・き・よ・しょう・き・く・らく)に吹かれているといわれ、
それぞれ、利する〜損失する・陰で文句をいう〜陰でほめたたえる・
目の前でほめる〜目の前でそしる・様々に苦しめる〜様々に楽しませる
ということ。

そんな風が吹いても動じないようにと説いた言葉なんです。

季節かわりに吹く風が運ぶのは、樹々草葉にとっての潤いの雨雲か、
花を傷める強風でしょうか・・・。

人もまた同じく、変化のときに吹く風に
心の在りようが問われます。


しっかりと大地に根ざし、「動じない」心でいたいものですね。

梅雨の奈良もまた風情がございます。
合わせて当院にもどうぞ、お参りにいらしてみてください。

ありがとうございます。



                                                     合掌


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