「掃 除」・・・
はやいもので、今年も残すところ、あとひと月となりました。
春夏秋冬・・・。
季節の樹々草花の競演をはじめ、
全国各地で守られてきた様々な年中行事など、
一年を紡ぐ無数の錦糸が今年も織り込まれてきたと思います。
皆さんにとって、この一年はどんな織り模様となりましたでしょうか。
あらためて2013年を振り返りますと、
ひとつには、新政権の経済効果がうたわれ、オリンピック招致に沸き、
それまでの閉塞感から脱しはじめたかのような気運が広がってきました。
しかし、他方では、中長期的経済発展・外交・社会保障、そして原発事故
の終息など、解決しなければならない難題が山積みにされたままでもあります。
被災された方たちにとっては、本当に切ない年の瀬だと思うのです。
拭いきれないことの多さには閉口してしまいますが、少しでもきれいに
していきたいものです。
さて、年の瀬は「大掃除」。
この掃除という言葉、仏教では「掃地」とも書きまして、
お釈迦様の時代から行われてきた修行の一つと言われております。
仏教修行の基本とされる三学、
1.戒(かい)・・・・身(肉体)・口(ことば)・意(心)の悪をとめること。
2.定(じょう)・・・心のまどいや乱れを静めること。
3.慧(え)・・・・・智慧をおさめて真実を見きわめること。
この教えにたって、日常の立居振る舞いにおいてもおろそかにしない
との思いが掃除にもあらわされているのだと思います。
家の掃除をしなければ「ほこり」がたまり、放っておけば、
どんどん汚れていきます。そうして住む人の心も荒れてきます。
つまり、掃除をするということは、
自分自身の心をきれいにすることだと思うのです。
心を磨けば、日々に感謝して生きられるのでないでしょうか。
今を生きるすべての人が、「今日一日」を大切に生きられることを
願わずにはいられません。
これから、本格的な冬の到来ですが、
どうぞ、皆々様には、お身体に十分お気をつけて
お過ごしくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
今年一年、ありがとうございました。
合掌