ライン

今月のお話

ライン

「所信〜誓願〜弘誓」・・・


台風ニュースで始まった9月です。
今夏の電力不足も一段落かと安堵することなく、次々に迫る自然の猛威に被災地を思わずにはおられません。

さて、新内閣の顔ぶれも決まり、まったなしの難局へ早急な取組みが求められるところ。
またどのような未来図を描き、方向付けをするのか、私たちも真剣に見据えていきたいものです。

そこで気になるのが所信(表明)。
時のリーダーにあっては、ペーパー読み?あるいは自分の言葉?で「未来への道」を説く最初の表明であります。

仏教ではこの「所信」という言葉を=「能」という語と対になる「所」(能は能動態、所は受動態)=
「信じられるところのもの」という意味で用います。

そこからいえば、 政治の所信表明は、自身が信じられるところのものを表明するわけですから、
なぜ信じるに値するのかを説くのもリーダーの資質では。

もしお悩みなら、適したこんな言葉もあるんです(と申し上げたい)。それは「弘願=ぐせい」。
もれなく世の人々を救い、さとりを得させようとする仏様の誓いという意味です。
狭義で申しますと、四弘誓願=しくせいがん=がありまして、


1.衆生無辺誓願度・・・衆生無辺なれど、誓って度せんことを願う
  救われなくてはならない人々が無限にいるけれどすべて必ず救うことを誓願します。

2.煩悩無量誓願断・・・煩悩は無尽なれもど、誓って断ずることを誓う
  人間の欲望は尽きないけれど、必ず断ち切ることを誓願します。

3.法門無尽誓願智・・・法門は無料なれど、誓って学ばんことを願う
  仏の教えは汲んでも尽きる事はないけれど必ず学ぶ事を誓願します。
4.仏道無上誓願成・・・仏道は無上なれど、誓って成ぜんことを誓う
  仏の道ははるか手の届かないところにありますが、必ず全うすることを誓願します。


このような「誓い」をもって 考えるなら、どんなに時代が変わっても、
リーダーが変わっても基本理念はぶれないと思うのです。

かくも不透明な時代ゆえに、まずは「所信」ある道筋を、私たち一人ひとり、
心に刻んでおくべきだと思います。


この秋を「実り」ある季節にすべく、「今日一日」を大切に生きましょう。

ありがとうございます。


                                                     合掌


Copyright (C) 徳臧院. All Rights Reserved.