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今月のお話

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「雑行(ぞうぎょう)」・・・


何早いもので気がつけばもう、師走です。

師走・・・。
陰暦の12月を表し、この月には各家で師(僧)の読経等が聞こえてくる様子や、
忙しく走り回る様子がその語源となったとも言われております。


さて、「雑行=ぞうぎょう」という言葉。
これは仏教の教えにある極楽に往生しようとする正しい行い、
「正行=しょうぎょう」の対語です。

正行は中国浄土教を大成した唐の僧侶善導の立てた説で、
1.称名=仏・菩薩の名を称えること。
2.読誦=お経をとなえること。
3.観察=智慧によって物事を正しく見極めること。
4.礼拝=仏・菩薩に合掌、低頭して敬意を表すこと。
5.供 養=仏法僧(仏と、仏の説いた法と、仏法を行ずる僧)の三方に諸物を捧げて帰依して讃えること。
この5つ(五種)をいいます。

これ以外の善業を行って極楽往生しようとするのが雑行なんです。

気忙しいこの時期にこそ、「雑」のつくことの尊さも考えてみてはいかがでしょう。
例えば大掃除の定番、雑巾がけ。
雑巾がけは心も磨きます。不思議なもので最初は邪魔くさいと思っていても、
やればやるほど「もっときれいにしよう」という気持ちが生まれてくるんですよね。
同じくあらゆる雑用一つひとつにも感謝の気持ちで務めていれば、自分自身と向合い、
心の糧にできるはずです。
また、人の評価を得たいが為の行いではありませんが、
そうした姿は誰かが見ていてくれるもの です。
巡り巡って、お互いに、いたわりと感謝が生まれてくると思います。

金融・経済、雇用、エネルギー問題ともに、世界中で厳しい局面が続いております。
年を越えても楽観できる要素は少ないかもしれません。
ゆえに、
私たちが今できる「雑行」とは何か。
そう自問する師走です。

☆今年も当山にお参り頂き、またたくさんの応援の声を頂きまして
本当にありがとうございます。
どうぞ、来年もよろしくお願い申し上げます。
年末年始のお参りや仏事等、お困りのことがございましたら、
お気軽にご相談ください。

ありがとうございます。


                                                     合掌


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