今月のお話
「智 慧」・・・
東日本大震災で未だに多くの行方不明者がおられること、
そして避難生活を余儀なくされておられる方々に
心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
復興への道は本当に険しいものであり、それゆえに、
私たち一人一人の意識が大切だとあらためて実感しております。
思えば、戦後のめざましい経済成長は、個人消費にも後押しされて
立ち止まることなく、今日の生活基盤を便利さという枠組みで創り上げました。
それはエネルギー資源に乏しい国土にあって、
様々な課題をはらむものだったことは間違いありません。
科学技術、バイオテクノロジー、高度医療・・・。
そのすべては人間の知恵を結集したもの。
今、人間の知恵とは何かということを求められているのではないでしょうか。
さて、今回の言葉、「智慧」とは、サンスクリット語の「プラジュナー」の訳語で、
音写語は「般若=はんにゃ」。真実の知恵という意味で用いられます。
ただ単に知恵というのではなく、ものごとの真実を捉える力を有するもの。
また、知識があらゆるものを総合し分析するはたらきであるのに対して
智慧は修行によって得られる直感的な力といえるのです。
厳しい局面に立たされている今こそ、私たちは智慧を尽くさなくてはなりません。
復興への道が、「智慧」によって導かれ、そして未来志向への礎となり、
人々の心の原点となることを願わずにはいられません。
風薫る季節です。
当地にお寄りの際はぜひ、
徳藏院にお参りください。
ありがとうございます。
合掌