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今月のお話

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「回 向」・・・


3月11日に発生した東北太平洋地震(東日本大震災)で犠牲になられた方たち、そして被災された多くの方たちに
心より哀悼の意とお見舞いを申し上げます。


この大災害をまえに、日本中そして世界からも被災地に援助が届けられています。
本当に有り難い事です。
今は事態の収束に向けて一丸となって取り組まなくてはなりません。

しかし、この未曾有の事態は、未だ「災中」であり、すべての「当たり前」を考え直す契機として、
私たち一人一人が胸に刻むべき状況だと思います。

ある意味で今年は「新しい国づくり元年」になるかもしれません。

回向(廻向)えこう。

これは仏教語で「進める」「熟させる」という意味で、もとはサンスクリット語の「パリナーマヤ」を訳した言葉です。

自分が積んだ修行、その功徳を他者へとめぐらせていくこと。
他者の幸福を願うことで、共に救われる道を説くというものなんです。

また、追善回向は、亡くなられた方たちの冥福をお祈りする回向ですが、
それによって仏の側からも私たちに功徳がもたらされると言われております。

震災から復興への道程において、「できること」を模索するのと同時に、
回向の気持ちを、ぜひ大切にしていただきたいと思います。

慮(おもんぱか)る=思いをめぐらせる=意識に、危機を脱する力があるからです。
誰かのためだからできることがあるからです。

今日という一日に笑顔と感謝があふれますように・・・。
一日も早い、災害の収束と復興への歩みを願わずにはおられません。

ありがとうございます。


                                                     合掌

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