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今月のお話

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「融通(ゆうずう)」・・・


何か「らしくない」あたたかさが続く晩秋。
とはいえ、夏の電力不足より冬のそれが危惧されるためか、
石油ストーブやガスストーブの明かりがまちに喧(かまびす)しいようです。
まずは季節をしっかりと受け止めて「らしい」趣きを感じられるように心掛けたい気も致します・・・。

さて、震災復興の各論は、ガレキ処理、残土の処理問題、住民保障〜生活再建、
そして福島第一原発の現状把握と終息への道筋等、予算編成後の難題として山積みです。

TPP参加問題も然り。また、ギリシャに端を発するヨーロッパ経済の危険性は、世界に飛び火する恐れから、
各国ともに破綻回避に向けた動きに予断を許しません。

それぞれが融通し合うこと、中長期的な視点にたった真の協調が、今、問われていると思います。

さて。この融通という言葉、異なる別々のものが一つにとけ合って障りがないこと。

仏教では、対立する考えを一端は認め合い、それぞれ検討して、すべてを包み込む体系を導き出すことを旨とします。
ですから仏教は「融通」を特徴とした教えということになるのです。
一般には滞りなく通い合う、そこから臨機応変に対処する言葉として用いられますが、
個人と社会という構図は、極めて複雑化しているだけに、それぞれの状況を一度、認めた上で第三の道を探るという
仏教的な見地が大切ではないでしょうか。

国内に留まらず、世界がそうあるべきだと願うものです。

樹々の彩りは、季節を秋〜冬へと染めていきます。
当山のある奈良も各所に歴史と文化をちりばめており、散策の季節を迎えます。

お時間のあるとき、ちょっと歴史の旅をしにいらしてみませんか。

いつでもお参りください。

ありがとうございます。


                                                     合掌

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