「五濁(ごじょく)」・・・
例年比べて今夏は潔いと申しましょうか、
残暑の中にも秋はしっかりと
感じられるようになりました。
虫の音、風の感触、黄昏の色合い・・・。
ここかしこにちりばめられた
季節の移ろいが日ごとに艶めいております。
さて、初秋の話題のひとつ、東京オリンピック。
競技場、そして大会ロゴマーク・・・と
本来注目すべき競技や選手をおいたまま、
何とも喧しいことになりました。
これではせっかくの五輪開催が
危ぶまれても仕方ありません。
五輪とは五つの自然(火の赤・水の青・木の緑・土の黒・砂の黄)、
五つの鉄則(情熱・水分・体力・技術・栄養)、五つの大陸を表すそうですが、
仏教にも「五」に込められた教えがいくつもあります。
例えば、「五戒」は不殺生戒(ふせっしょうかい)、
不偸盗戒(ふちゅうとうかい)、
不邪淫戒(ふじゃいんかい)、
不妄語戒(ふもうごかい)、
不飲酒戒(ふおんじゅかい)の五つのを戒めを説いたもの。
在家の五戒とも呼ばれております。
ほかにも五智、五欲などがありますが、
今回特に注目したい教えは「五濁」。
これは人類の未来が二万年を切る堕落した時代となったとき、
起るとされる「五つのにごり」のこと。
1.劫濁(こうじょく)。
すなわち病気や飢饉、戦争などの天災や人災に見舞われること。
2.見濁(けんじょく)。
すなわち正しい教えが衰え、邪悪な思想が蔓延すること。
3.煩悩濁(ぼんのうじょく)。
すなわち煩悩のまみれ、欲に執着しむさぼり、諍いが耐えないこと。
4.衆生濁(しゅじょうじょく)。
すなわち人々が悪事を働き、苦しみが増していくこと。
5.命濁(みょうじょく)。
すなわち人の寿命が短くなること。
繰り言ながら、
奇しくも今年は戦後70年の節目の年。
経済格差、少子高齢化、難航する外交、
そしてエネルギー問題。
五濁悪世がすぐそこまで来ている気がするのは
単なる杞憂でしょうか。
しかし、
今、大人も若者たちも
自分たちができることを模索し始めています。
地方創世へIターン就職を希望する若者たち、
地域の役割を積極的に担う大人たち、
それぞれが一歩を踏み出そうとしています。
未来への希望がいくつもの光を
放ち始めていることは間違いないでしょう。
来るべく東京五輪に「にごり」が
無いことを願うと同時に、
自分たちが何をなすべきか、
もう一度先人たちに問いかけることが
必要なのかもしれません。
まずはご家族でお墓参りすること、
ご先祖様に手を合わせることを
どうか、大事になさってください。
お彼岸に合わせて
納骨、法要、永代供養などお考えの方は、
どうぞ、お気軽に当院までご相談ください。
ありがとうございます。
合掌