今月のお話
「失念（しつねん）」・・・
日ごとに秋らしくなって参りました。
空の高さ、雲の流れ、色づき始めた樹々。
皆さんの回りにも素敵な「秋」がたくさんあると思います。
そうして列車に揺られての秋旅行を
楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
そんな旅情気分に影を落とした
9月のニュースから・・・。
某鉄道会社の度重なる事故に際し、
トップの謝罪会見がメディアを賑わせたのは
記憶に新しいところ。
経営状況の悪さ、組織の機能不全等々、
発せられた言葉に、多くの方たちが閉口した
ことでしょう。
特に印象的だったのが「失念しておりました」
という総括。
安全より、利益を追求していたと
言わんばかりでした。
そもそも「失念」は、
仏教では、サンスクリット語の「スムリティ・ナーシャ」
もしくは「ムシター・スムリティ」の訳語です。
スムリティとは「正念」の意、
邪念を消し去った清い心の継続ということです。
つまり、失念とは、大切な「正念」が煩悩等によって、
とぎれてしまい、心が乱れるということになります。
今般の会見からいえば、
「うっかり忘れていました」という一般的な解釈よりも、
本来の意味で考えた方が、あるいは「刷新」のためには
良いのかも知れませんよね。
私たちの夢を乗せて、安全に走り続けてほしいと
願うばかりです・・・。
さて、秋は、歴史散策にふさわしいとき。
奈良県は、いにしえのロマン溢れる名所が
たくさんございます。
ぜひ、香芝にも足を運んでみてください。
当院のみみづく地蔵さんもお待ちしております。
また、法要、納骨、永代供養等、お気軽にお尋ねください。
皆様にとって素敵な秋となりますように・・・。
ありがとうございます。
合掌