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今月のお話

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「有耶無耶(うやむや)」・・・



「(有耶無耶(うやむや)」・・・


桜から、新緑の蒼さが眩しい季節へ。
子どもたちにとっては待ちに待った
ゴールデンウィークというところでしょうか。

折しも、消費税増税法案と原発再稼働にゆれる時期で、
「絶対」=安全・安心=という答えがない中ではありますが、
せめて、つかの間の休日に、家族を想い、ご先祖様を想うことで、
今、生かされていることの感謝が深まるのかも知れません。
願わくば、この小さな幸せが絶えませんようにと・・・。

その為には、すべての社会不安・懸案が、曖昧なまま=うやむやな状態=で
風化するのは、避けたいものです。

この、「有耶無耶」という言葉。

政治以外にもよく使われる表現ですよね。
仏教では、「○○は有りや無しや」という問いかけをよくします。
そこで「有る」と答えると間違いなんです。では「無い」と答えるのが
正しいのかと言えば、これも間違いなんです。何かへんな感じがしますよね。
しかし、お釈迦様は、どちらともつかないこの考え方を超えて、
絶対的な安らぎの世界に入られたといわれております。
〜到底、私たちには、超えられそうにありませんが〜

見方を変えると、すべての物事は、相対的価値判断が求められるのも確かで、
白か黒か、イエスかのノーかではない、ギリギリの判断をいつも求められるのが世の常。

ですから本来、「有耶無耶」な状態、「有りや無しや」を
問いかけ続ける状態とは、大きな課題を乗り越えようとしている状態であり、
私たちはこれに向合わなくてはならないという意味だと思います。

もちろん、できることは限られるでしょうし、人一人の力は、本当に小さなものです。
それでも意識を持つだけでも違うと信じています。

うやむやが懸念される様々なものから、目をそらさないように、
いつも自分自身へ「有りや無しや」の問いかけを忘れないように、
「できる」ことの一つではないでしょうか。

さて、
当山のある香芝市も春の彩りで溢れています。
歴史と文化を訪ねて、そしてご先祖様へのご挨拶に、どうぞ、お気軽にお越し下さい。

ありがとうございます。


                                                     合掌

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