「正念場(しょうねんば)」・・・
全国各地、寒さが続いた年明けとなりました。
皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。
あらためまして、
本年も徳藏院をよろしくお願い申し上げます。
さて、
師走に飛び込んで来た「原発事故終息宣言」には、
正直、驚きを隠せませんでした。
その言葉に込められていたのは一日も早い復興への思いだとは思いますが、
拭いきれない虚しさと共に、これからも「3.11」を
しっかり受け止めていこうと、思った次第です。
そうして私たちの暮らしを見渡しますと、
被災県のガレキ・除染処理、社会保障再構築、消費税増税をはじめ、
世界の元首交代、TPP交渉・・・。
2012年は、まさに正念場の年となりそうです。
正念場。
仏教では仏道修行のもとになっている八つの正しい実践項目「八正道」がありまして
正念はその一つです。邪念を消して常に正しい仏法を思って忘れないということ。
八正道は、
正見・・・正しくものをみる
正思惟・・正しくものを考える
正語・・・正しく言葉を語る
正業・・・正しい行いをする
正命・・・正しい生活をする
正精進・・正しく目的に向って努力する
正念・・・常に仏道を思いをこらす
正定・・・正しく心を集中して安定する
この八つをいいます。
私たちは正念場と言えば、「ここぞという大切な局面」をさして用いますが、
これは歌舞伎や浄瑠璃の主人公が特に力を入れて演ずる見せ場「性根場」(しょうねば)
という言葉と結びついたものが元になっていると言われております。
そろそろ衆院選挙もちらつく中、政治の見せ場はともかく、
今は、ひとり一人が「八正道」のもと歩んでいくことこそ、
大切ではないでしょうか。
これから寒さが続きます。
どうぞ、皆様お身体に気を付けてお過ごし下さい。
また、当山のある奈良県は、いにしえの文化と歴史を
今に伝える「古都」です。
特に冬の散策は、万葉人の想いを感じられる
最適な季節とも言われております。
どうぞ、防寒対策をして、お訪ねください。
ありがとうございます。
合掌
☆今月のお話