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今月のお話

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「我 慢」・・・


電力需要が懸案とされた今夏、意外にも過ごしやすい日が続いております。
また、各家庭、企業の省エネ対策故なのか、街に溢れていた「廃熱」も何か抑えられているように思えてなりません。
一人ひとりの取組みは小さくても、それが集まったとき、大きな力となり、プラス作用をもたらす。
そう考えると、ちょっとした「我慢」もプラス発想へと切り替えていけるのではないでしょうか。

さて、この我慢という言葉。語源はと申しますとサンスクリット語の「アートマ・マーナー」。アートマ=アートマン=は「我」の意。マーナーは自負するの意で、その音写語が「慢」というわけです。ですから我慢は「自分をあてにする」あるいは「自分に自信を持つ」というような意味になるのです。

では、なぜ今日の「耐える」という意味に転じたのかと申しますと、これには二説あると言われております。
一つは「慢」という字にある「ゆるがせにする」=なげやり、おろそかにする=の意に基づいて「自分をゆるがせにする」=自分をおろそかに、転じて自分は二の次三の次にしておさえる=といった意味になったという説。
もう一つは「自分が自分が」という元の意味の「我慢」はよくないことであり、ゆえに自分を抑制することが肝要だという意識から、じっと耐える様をあえて我慢と言い表すようになったという説です。

この夏、節電をはじめ、様々な「我慢」を私たちは意識するようになりました。
被災地の復興、日本の未来へ、「我慢」の意識が多面的プラス発想となれば、日々の我慢は決して悪くもありません。

まもなくお盆ですが、ご先祖様を思い手を合わせると同時に、戦後から今日まで歩んで来た「道」を見つめたいものです。
そしてこれからの「道」を考えてみたい。今を生きて(生かされて)いることに感謝し、物質文化だけではない精神文化も
合わせて次代へと継いでいかなくてはと思うのです。8月はそんな思いに駆られる月なんでしょうね。

どうぞ、まだまだ暑い日が続きますが、お身体に気をつけてお過ごしください。
また、様々な事情で、お墓参りができないという方や、法要ができないという方など、
仏事のことは、当山にお気軽にこ相談ください。
できる限りお力になりたいと存じます。

ありがとうございます。


                                                     合掌


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